塗装課の仕事内容
ども。きいちです。
今回は期間工の配属先で比較的楽な作業が多い
塗装課
について解説していきます。
ちなみに塗装課って聞くとボディに色を塗る作業?と思われるかもしれないのですが、塗装課に配属されて色を塗る作業を担当する人は数%。
10%以下なんです。
ほとんどの人が塗装課なのに色を塗る作業をしてません。
なので初めて塗装課に配属になる時や、塗装課に配属されたことがない人はどんなことをやってるんだろ?と思ってる人もいるかと思います。
そんな人に向けて過去に数回、塗装課を経験した私がどんなところなのか?ってことを解説していきます。
三菱自動車が制作したYouTube動画で塗装課の作業が公開されているので、この動画を見ながら解説を見るとかなり理解できるんじゃないかと思うので参考にしてみてください。
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塗装課の工程と作業
塗装課はまず、塗装or樹脂塗装に分けられています。樹脂塗装とは、いわゆるバンパーなど。樹脂で作られている部品に塗装を施す工程ですね。
車体を担当する作業と、樹脂を担当する作業でラインが別だったりもします。肉体的負担は樹脂塗装の方が少ない気もしますが、どちらにしても塗装課は楽でしょう。
で、今回は三菱がボデーの塗装工程をYouTubeで公開してくれているので、その動画も参考にしながら説明していきます。
工場見学動画、塗装工程
1:07秒~砥ぎ
1:23秒~シーラー
1:53秒~塗り
2:51秒~検査
電着塗装は耐久を上げたりさび防止、塗料を付きやすくさせたりなどしているところ。基本的に自動なのでほぼ配属されないでしょう。
砥ぎ、磨き、ブロー
1:17秒~
色を塗る前の工程で、塗装面の凹凸やブツブツなどをペーパーのヤスリで削ったりする作業。電着されたボデーには目に見えないブツブツがけっこうあります。
目に見えないサイズのブツブツでも、そこに塗料が塗られると目に見えるサイズのブツブツに成長する。なので塗る前に塗装面の凹凸やブツブツ等をここで削り落とすわけです。
目の粗いペーパーから段々と目の細かいヤスリになっていき、最終的に削りカスの拭き取りやエアー等で粉塵を取り除き仕上げる。
組立の人が見たら怒っちゃうかもねw楽すぎてw
シーラー
1:23秒~
車体のボデーは何枚もの鉄板を成形して組み合わせて溶接されています。その重なり合っているところはスキマがあって水や風・ホコリなどが入りこんでくるのでシーラーと呼ばれる溶剤でふさぎます。また錆防止や劣化防止などの役目もあります。
シーラーはスピードと正確さが求められる。最初はスピードについていけず不安になるかもしれないですが、時間の経過とともに慣れていき気づいたら早く出来るようになってます。
ブース内作業、塗り
1:53秒~
ここからようやく塗っていく作業ですね。いわゆるブースと呼ばれる隔離された室内。
ここでロボットが塗れないところ、室内や裏面、端など、この辺りを作業者が担当して塗っていきます。
防毒マスクや頭巾、アークレス手袋など、専用の防護服を身にまとい作業していきます。
靴は安全靴ではなく静電仕様の地下足袋。塗料が床に溜まらないように金網の床になっていて下には水が流れている。
慣れるまでは地下足袋&床の相性が悪く足がとても痛くなるんですよね。柔らかめの中敷きが相性良いと思います。
このブース内作業を担当すると、「特殊作業手当」とか「危険手当」などと呼ばれる手当が別途支給されます。溶剤はカラダに悪いからですね。
ちなみに塗料には水性塗料と油性塗料があって
油性=環境・人体に影響大で耐久に強い
という性質がある。業界的には、だんだんと水性塗料にシフトチェンジしてますが、まだまだ油性塗料が使われてたりします。
このブース内の作業は冬は暖かくていいけど、夏場が地獄。ほんとに地獄w汗が止まらないし、その汗がボデーに落ちたりして不具合につながることが日常茶飯事に起きます。いわゆるハジキってやつ。
動画を見てもらうとわかるんですけど、宇宙服みたいなフル装備で作業するんですが、ブース内はエアコンなんてないから地獄のような暑さになります。
ほんとに夏場のブースは最悪(経験者談)
比較的残業が多い塗装課の中でブース作業者はさらに残業が多くなるケースが多い。もしくは出勤時間が0.5hほど遅くなって終わりも遅くなる勤務時間のケースも。
検査
2:51秒~
塗装課の検査は目を酷使する感じ。まわりにたくさんの蛍光灯がついてて、その光を利用して塗装面の凹凸や遺物を見つけたり、手でさわって違和感を感じとる。
この段階で残ってるブツとかホコリとかって普通に見たら気づかないレベルのものばっかりなんですよ。なので、よーーーくガン見しないと気づきません。
気づかないと後工程で見つけられたりして、見逃したことがおおやけになるw気まずいですね~
マスキング
この動画にはなかったですが、塗装課にはマスキング工程もあります。塗料を塗りたくないところにマスキングをする作業。
ここもスピードと正確さが求められます。マスキングは複数人でやる場合も多く、作業スピードが露骨に比較されたりもしやすい環境。
三菱の時はマスキングの人だけいつも0,25h長く残業をしてましたよ。
その他
他にも、溶剤や塗料を調合・管理したりするとこや冶具の回収・運搬をするところもあったりします。
各メーカー固有の作業なんかもあったりしますしね。例えばマツダだとファイナルがそうだし、パジェロ製造だと発送あたりがそうなる。
全部を把握してるわけではないでので、これ以外にもあったりするでしょう。ただ塗装課の場合、大半の人は今回取り上げた工程になると思うので参考にしてみてください。
基本的に組立等と比べると肉体的負担は相当少ないです。
塗装課のまとめ
といった感じです。
塗装課の特徴としては肉体的に楽、慣れると楽勝。残業は多い部類に入ることが多い。
冬はいいけど夏は地獄。
女の子も配属されやすいところで、特に砥ぎ・検査・マスキング辺りは常に数人は配属されているイメージですね。
ちなみに今回の動画の全編も貼っておくのでお好きな人はどぞ。プレス~出荷までの動画です。